浴衣のおはしょりは、長すぎても短すぎても着姿がもたついて見えます。
この記事では、おはしょりの
きれいな長さ、長い・短い・もこもこ・斜めになる原因、後ろ姿の整え方まで、
リサイクル着物店・店主/着付け師の視点でお悩み別に解説します。
浴衣のおはしょり完全ガイド|長い・短い・もこもこ・斜め・後ろ姿まで整える方法
浴衣のおはしょりが美しく見える長さとは?
おはしょりの処理の仕方の解説の前に、おはしょりの適正な長さを押さえておきましょう。
約4cmから8cm程度、人差し指の長さくらいまでが美しく見える長さと言われています。
それ以上になると、「幼い」印象、子供の着物のような感じになってしまいます。
初々しさを出す振袖の着付けの際には8cm前後に整えることがあります。


おはしょりの目安より長いとどうなるのか
目安の幅よりおはしょりが長くなると「なんか垢抜けない」感じに。
せっかくお気に入りの浴衣を着ているのに、垢抜けない印象は避けたいものです。
おはしょりが長い、短いとお困りの方は自分サイズに誂えた浴衣ではなく、フリーサイズのプレタ浴衣の場合に起こりやすい問題です。
スモールサイズ、トールサイズと展開しているブランドもありますがほぼ標準的なものでは、丈163~165cmくらいのものが多いです。
成人女性の平均身長158cmくらいに合わせ、また最近の20~30代世代に合わせて若干高めな身長に設定されているプレタ浴衣。
なので158cmよりも低い方はおはしょりが長くなりがち、背の高い方はおはしょりが出ないのがお困りになるわけです。
逆に背の高い方、身長168~170cmくらいの方は 、丈163~165cmのプレタ浴衣ならおはしょり3~4cmくらいは出て欲しいところです。
通常のお着物よりは短めで、くるぶしくらいに裾線を決めるのでトールサイズさんでのプレタサイズでOKな場合もあります。

上のイラストは、裾のイメージです。
着丈は好みによりますが、かかとが丸見えでも浴衣の場合はOKです。
172cm以上の背の高い方はプレタ浴衣でもトールサイズをお選びになるのも対策のひとつになります。
サイズが合う浴衣を選ぶと、おはしょりの調整がしやすくなり、着姿もすっきり整いやすくなります。
高身長さん向けの浴衣を探している方は、身丈や裄丈もあわせて確認してみてください。
浴衣のおはしょり長い・短い人はどうするの?
おはしょりが「長い・短い」のお困りごとは、マイサイズの浴衣ではなくお下がりやプレタ浴衣を着用している場合に起きやすく、着物は洋服ほどサイズを厳密に選ばなくても着られる、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
プレタ浴衣の多くはフリーサイズで洋服でいうとMからLの間くらいのサイズで作られています。
一般的に必要な身丈は、身長プラスマイナス5~8cmと言われています。
浴衣は通常のお着物よりの裾を短めに着付けますから、丈163~165cmだと身長158cmから小柄な方には少々長めな身丈になります。
身長にあった身丈のお着物を着るときのようにプレタ浴衣を着付けてしまうと、「おはしょりが長い」といったお悩みがでてきちゃいます。
浴衣のおはしょりが長い人は2通りの解決方法
おはしょりが長い = 8cm以上になってしまう場合は、
2通りのやり方で解消できます。
1.腰紐の締める位置をウエスト側にずらす。
2.腰紐はいつもの位置で、あまり分を仮紐で抑える。
では、各項目を図解で見てみましょう。
1.腰紐の締める位置をウエスト側にずらす

元の腰紐位置で、おはしょりが長いと気付いた時には、ウエスト方向へずらした位置へ新たな腰紐をします。
この線から布を折り返すので、おはしょりが短くなります。
2.腰紐はいつもの位置で、あまり分を仮紐で抑える

腰紐は通常締める位置に締めています。(骨盤の出ている骨の上にいつも締めていると仮定します)
ちょうどよいと思うところまで、おはしょりの下線を引き上げて、胸紐との間に布を寄せていきます。
あまり分が落ちてこないように、腰紐を使って抑えるように仮紐として締めます。
この時、ぎゅーぎゅーに締める必要はなく、キープするために締めます。
浴衣のおはしょりが短い人の2つの解決方法
おはしょりが短く、出ないということは、浴衣の身丈が身長に対して短いということです。
おはしょりが短く帯から出てこない方は、腰紐の位置はどの辺で締められていますでしょうか?
ウエストあたりで締めている方は、まだおはしょりが出る可能性があります。
骨盤のでっぱりの上あたりで腰紐を締めてみてください。
それだけでかなりおはしょりが出るようになったと思います。
背が高くておはしょりが出ない方、ギリギリまで腰紐を低い位置に締めます。
●ギリギリまで腰紐を低い位置に締める。
●腰紐をなるべく細い紐にする。
この2つの方法で2cmくらいはおはしょり分になるはずです。
ギリギリまで低い位置で腰紐をする場合は、ゴムベルトじゃないほうが具合がいいです。
ゴムベルトだとウエスト側へずれる場合があるのです。
それと、ベルトの幅の分おはしょり分を奪われてしまいます。
それでもおはしょりが短いなら、浴衣の身丈を確認してみて
今着ている浴衣はできる範囲で着付けを工夫しつつ、次に浴衣や着物を選ぶときは、身長に合った身丈を確認してみてください。
とくに身長が高めの方は一般的なプレタサイズでは身丈が足りず、おはしょりが短くなることがあります。
身長165cm以上からは、標準サイズだけでなくトールサイズも選択肢に入れて探すと、着付けがぐっと楽になります。
「いつもおはしょりが短くなる」
「既製品だと丈が足りない気がする」
そんな方は、一度トールサイズの浴衣や着物も見てみてください。
浴衣のおはしょりがもこもこになる2つの理由
「長さではなくて、見た目が悪い」という場合の対策法もあります。
まずもこもこになってしまう理由を理解しましょう。

もこもこ状態のまま伊達締めまで進んでしまった画像
もこもこを解消するには、伊達締め前に整える必要があります。
もこもこになるのは理由があった
おはしょりがもこもこになるのも理由があります。
●上前一枚のみにしていない
●布目を通していない。
垢抜けない印象の最大な原因は「もこもこ」
ここを制すると着姿がガラリと変わって見えてきます!
おはしょりスッキリのヒミツは一枚のみ
スッキリした前側のおはしょりの秘訣は、上前の布は1枚のみになっています。
下前のおはしょりになる部分は折りあげています。
・胸紐をするまえに、折り上げる。
・胸紐をしてから、手を入れて折り上げる。

下前を斜めに折り上げます。
内側に余分な分を折っています。
コーリンベルトをする方はクリップの位置に留めると衿も浮かなく、折った部分も下がってきません。
胸紐を締めると折り上げた部分は、下には落ちてきません。
折りあげるのに苦労する方は、胸紐を締めてから右側の開いているところから手を入れて、紐の下まで下前の布を寄せてあげます。
布目を通すとは?
腰紐の位置から布を下に下ろした分が、おはしょりとなります。
下ろす際に内側に手を入れておはしょりの下線を手でなぞってみてください。
布の目が整ってよじれたりせずにきれいにおはしょりの下線が折れているはずです。

浴衣のおはしょりが斜めになるのはなぜ?
おはしょりが斜めになるのは、自然なことで上前の褄を上げているためです。
褄を上げるときゅーっと裾つぼまりになり粋でかっこよく、個人の好みになるのでそれ自体の間違った着付けということではないです。

おはしょりの下線が斜めにならない方法
左側が長くなってしまう場合を解説します。
腰紐を締める前側の位置を水平ではなく、左側がウエスト寄りになるように斜めに締めます。
腰紐の位置が上にずれたのでその分おはしょりの下線も上側にずれてくれます。
腰紐位置で調節しない場合は、長くなっている方を持ち上げて余分な分を伊達締めの下になるように整えます。
浴衣のおはしょり背中側のだぶつき解消
浴衣の場合、半幅帯を締めることが多いですね。
半幅帯の締め方によっては、後ろのおはしょりもきちんと整えなくてはならないことも。
後姿もすっきりきれいになるひと手間をご紹介します。
後姿に差がつく背中側のおはしょり
浴衣ではこんな半幅帯の結び方が多いのではないでしょうか?
文庫系
吉弥系
お着物でお太鼓ならいつも隠れるうしろのおはしょりですが、半幅帯の場合は見えてしまうことが多いですね。
後姿すっきりのこつは、腰紐の締める場所です。
前よりも後ろは高い位置に締めます。
水平にして胸紐を締めると衣紋を抜いている分、背中の布が前よりも多くなりそのままおはしょりを下ろすと前よりもだいぶ長くなってしまいます。
前下がり(後ろのほうが高い位置で締める)になるようにします。
後ろのおはしょりの下線を内側からなぞって布目を整えるのは、みなさんやっている工程ですね。
その後、前のおはしょりと衿の合わせを整えて胸紐を結びます。
背中心線が真ん中にきているか確認して、しわを左右に寄せます。
ウエストの細い方は特におはしょりがぴったりと身体に寄り添わず、だぶついている状態だと思います。
そのまま伊達締めをしてしまうと、おはしょりが浮き上がったようになり「ぶかぶか」になります。
これを防ぐためには、後ろのおはしょりの余分な分を左脇へ送り、脇縫い線でタックとして内側へ折り込みます。
クリップで留めておきます。

後ろのたぶつきとしわを脇へ寄せます。

だぶついた分を折りこみます。
浴衣のおはしょり右脇のもこもこを整える
おはしょり問題の最難関は、右脇のもこもこはどうしたらいいのか。
という、ことだと思います。
まず、前のおはしょりの長さと後ろのおはしょりの長さが違うので、これを整えます。

前と後ろのおはしょりの下線を合わせます。
余った布をタックをとって内側へ折り込み、上前にできたポケット状のところへ入れ込みます。

この整えた部分を崩さないように伊達締めを締めます。
後ろおはしょりのたぶつきは諦めることも可能
脇の縫い目で内側に折り込む方法が上手くいかない場合は、おはしょりの見えない結び方にするとうまくごまかせます。

半幅帯でもおはしょりが目立ちにくい帯結びもあります。
左の白地の帯は、「矢の字」に結んでたれ先でおはしょりを隠してます。
手先を半分に折らないともっと存在感のある結び方になります。
右のラベンダーの帯は「ぱたぱた結び」仮紐の中に何度も帯を通してリボン状に作っていきます。
こちらもたれ先でおはしょりを隠しています。

8寸の単仕立ての帯や紗の博多献上帯で「しっかり」隠す手もあります。
浴衣のおはしょりスッキリのまとめ
●適正なおはしょりの長さに整える。
●布目を通して身体に沿わせ、おはしょり下線はきれいな折れ線にする。
●余分なだぶつきは折り込み内側へ隠す。
●うしろのおはしょりは帯の結び方で隠す手もあり!
●おはしょりが短い場合は、着付け方だけでなく浴衣の身丈が自分の身長に合っているかも確認する。
あなたの浴衣のおはしょりのお悩みは解決できましたか?
とくに
「おはしょりが短い」
「毎回ぎりぎりになる」という方は、
着付けだけでなく浴衣そのもののサイズを見直すことで解決する場合もあります。
スッキリしたおはしょりはそれだけで、着姿をワンランク上げてくれます。
夏ならではの浴衣を楽しまれてください。
浴衣の着付けやコーディネートをもっと詳しく知りたい方へ
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『大人のためのゆかたのきほん』
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