リサイクル着物をネットで見ていて、
「すごく好き。でも身丈が少し短い」
「身長170cmだけど、身丈163cmの着物は着られる?」
「身丈は身長と同じじゃないとダメ?」
と、購入を迷ったことはありませんか?
新品のお誂えなら、自分のサイズに合わせて仕立てることができます。
でもリサイクル着物は一点もの。
色も柄も状態も好みなのに、身丈だけが数cm足りないということは珍しくありません。
一般的には、
一般的に着物の身丈については、
身長と同じ、もしくは ±5cmが、無理なく着られる基準として推奨されています。
ただし、実際に着られるかどうかは、身長との差だけでは決まりません。
腰紐を締める位置、衣紋の抜き方、体型、そして最終的におはしょりをどのくらい作れるかによって、必要な身丈は変わります。
この記事では、リサイクル着物を購入する前に知っておきたい、
- 身丈は身長より何cm短くても着られるのか
- おはしょりは何cm必要なのか
- 身丈が足りないとき、着付けでどこまで調整できるのか
- 「買ってもいいサイズ」と「見送った方がいいサイズ」の考え方
を、リサイクル着物を扱っている立場から解説します。
リサイクル着物の身丈は「身長と同じ」が絶対ではない
着物のサイズを調べると、
「身丈は身長と同じくらい」
と、いう説明をよく見かけます。
これは、最初の目安としてはとてもわかりやすい基準です。
身長165cmなら身丈165cm前後。
身長170cmなら身丈170cm前後。
身長と同じであれば、おはしょりの分はらくらく作れ、一般的な着付けができます。
身長±5cmという目安も、安心して着付けることができる身丈の長さになります。
ただし、
身丈が身長より3cm短いから着られない という意味ではありません。
着物は洋服とは違い、ある程度は着付けでサイズを調整できます。
特に身丈は腰紐をどこで締めるかによって、おはしょりに出る分が変わります。
そのためリサイクル着物では、
「身丈=身長」という一点だけで判断しない ことが大切です。
身丈はどこまで短くても着られる?
私がリサイクル着物を選ぶとき、初心者さんならまず、
身長±5cm程度
をひとつの基準にすることをおすすめします。
たとえば身長165cmなら、
身丈160〜170cm程度
の中から探すイメージです。
この範囲なら、極端な着付けの調整をしなくても着やすいものが多くなります。
特に着付けを始めたばかりの時期は、サイズの合う着物を選ぶことも上達への近道です。
着付けそのものに慣れていないうえに、
「おはしょりを出さなくては」
「腰紐をもっと下げなくては」
という調整まで加わると、難易度が一気に上がります。
身長より6〜7cm短い着物はどうする?
ここから少し判断が分かれます。
たとえば、
身長168cm・着物の身丈161〜162cm
くらい。
身長との差は6〜7cmあります。
このくらいなら体型や普段の着付け方によっては、着られることがありますが注意が必要です。
同じ身長でも、
- 胸やヒップのボリューム
- 衣紋をどのくらい抜くか
- 腰紐を締める位置
- 身体の厚み
- 好みのおはしょりの長さ
によって必要な身丈は変わります。
腰紐をウエストの細い位置ではなく骨盤の上あたりで締めると、おはしょりになる分を確保できます。
紬のような生地の摩擦力が大きく、ひと手で着付けが決まる場合は腰紐も動きにくいですが、つるつるした滑る素材の着物の場合は腰紐がウエスト側へずれてしまうこと可能性もあります。
このように、素材や体型、腰紐の位置と気を遣わなければならないポイントが増える着物のサイズの場合は、最初から候補から外した方がよいときもあります。
そのため、6〜7cm短いものは、
結論を言うと、「あまりおすすめしない」
次を探した方が、購入後の満足度が高くなりそうです。
身長より8〜10cm短い着物は慎重に
さらに身丈が短くなり、
身長より8〜10cm程度短い
となると、着付けの難易度はかなり上がります。
着ること自体はできる場合があります。
「おはしょりを何とか出そう」とするあまり、
- 裾が短くなる
- 腰紐の位置が安定しない
- 衿元が崩れる
- 衣紋が思うように抜けない
など、別の部分に影響が出ることがあります。
これは、リサイクル着物選びで初心者さんにもっともおすすめしないパターンです。
せっかく着物を買ったのに、毎回その一枚だけ着付けが難しいという状態になってしまいます。
リサイクル着物は探せば次の一枚があります。
初心者さんなら、無理に難しいサイズへ挑戦するより、
少し自分の身丈に近いものを探す方が、結果的にたくさん着る機会が増える着物になります。
身丈が短いかどうかは「おはしょり」で判断する
身丈の許容範囲を何で判断すればよいのでしょう。
ひとつの目安になるのが、基本的なおはしょりがきれいに作れるかどうかです。
一般的に、おはしょりは8cm前後が目安といわれることがあります。
でも、私は必ずしも8cm必要だとは考えていません。
帯の下から、
4〜5cm程度のおはしょりがすっきりきれいに出ていれば、十分きれいに見える
場合があります。
むしろ長すぎるおはしょりを何重にも折って帯の中へ押し込むより、短めでも薄く身体に沿っている方が、着姿はすっきりします。
リサイクル着物では、
「8cmのおはしょりを作れるか」ではなく、「自然なおはしょりを作れる身丈か」
という考え方をすると、選べる着物の幅が広がります。
おはしょりを確保したいなら腰紐の位置を見る
身丈が少し短い着物を着るとき、まず見直したいのが腰紐の位置です。
ウエストの細いところで腰紐を締めると、その分、おはしょりに使える分が少なくなります。
一方、骨盤の上あたりまで腰紐を下げると、おはしょりを確保しやすくなります。
ほんの数cmの差ですが、リサイクル着物ではこの数cmが大きい。
「あと少し身丈があれば」という着物なら、腰紐の位置を変えるだけで着られることがあります。
むやみに低く締めればよいわけでもありません。
着物にあった裾の長さやバランスを見ながら、自分が安定して着られる位置を探します。
ゴムベルトより細い腰紐の方がおはしょりを確保しやすい
身丈がぎりぎりの着物では、使う腰紐によっても差が出ることがあります。
幅のあるゴムベルトは便利ですが、ベルトそのものに数cmの幅があります。
その幅がおはしょり分を奪うので、帯の下へ出せるおはしょりが少なくなることがあります。
一方、正絹などの腰紐は、締めると細くなります。
身丈がぎりぎりの着物で、
「あと2cmくらいおはしょりが欲しい」
という場合は、腰紐を変えることもひとつの方法です。
リサイクル着物から選ぶ場合、このような小さな着付けの工夫が着られるサイズの幅を広げます。
衣紋を大きく抜くほど前身頃に使える長さは少なくなる
もうひとつ意外に影響するのが、衣紋の抜き方です。
衣紋を大きく抜くと、後ろ見頃分が大きく後ろへずれて前身頃が短くなってしまいます。
身丈が十分にある着物なら気にする必要はありません。
でも、ぎりぎりの身丈を着るときには、
「いつもの着付けより、おはしょりが短い」ということが起きます。
そんな場合は、衣紋の抜きを少し控えめにすると、おはしょりを確保しやすくなります。
ただし、衣紋は着姿全体の印象にも関わる部分。
おはしょりだけを優先して、不自然な衣紋にならないよう全体のバランスを確認します。
身丈が長い着物は短い着物より調整しやすい
逆に、
「身丈が長い着物は買っても大丈夫?」という疑問もあります。
一般的には、短い着物より長い着物の方が着付けでは調整はしやすいです。
余った部分をおはしょりとして処理できますが、長ければ長いほどよいわけではありません。
身丈がかなり長いと、
- おはしょりが長くなり調節が必要になる
- 帯の下で布が重なる
- 腰まわりがもこもこする
- 初心者さんには処理が難しくなる
ことがあります。
「大きい着物なら何でも着られる」というわけでもありません。
購入するときは、短すぎる場合だけでなく、長すぎないかも確認しておきましょう。
身丈だけで「買う・買わない」を決めない
ここも大切です。
身丈がクリアしたからといって、その着物が自分に合うとは限りません。
リサイクル着物をネットで買うときは、
身丈 → 裄 → 身幅
の順番で確認することをおすすめしています。
まず身丈。
次に裄。
最後に前幅・後幅です。
たとえば、
「身丈168cmだから、身長168cmの私にぴったり!」
と思っても、裄が5cm短ければ、今度は腕の見え方が気になります。
また身幅が極端に小さければ、裾合わせそのものが難しくなります。
身丈は重要ですが、
身丈は最初の関門と考えるとわかりやすいでしょう。
【関連記事:高身長さんのリサイクル着物選び|身丈・裄・身幅を通販でチェックする方法】
リサイクル着物を購入する前の身丈チェック
商品ページを見ながら迷ったら、次の順番で確認します。
1.自分の身長と身丈との差を見る
身長と同じなら、安心して選べるサイズ。
身長±5cm程度なら充分候補になるサイズ。
身長より6〜7cm短い場合は、着付け経験や体型を考えていったん保留と判断。
8〜10cm程度短くなる場合は、初心者さんならご縁がなかったと考えます。
2.普段、腰紐をどこで締めているか
腰紐をウエストで締める人と、骨盤近くで締める人では必要な身丈が違います。
すでに自分で着ることのできる人なら、
自分が普段どの位置で腰紐を締めているか
を確認してください。
3.今持っている着やすい着物と比較する
これが最も確実です。
手持ちの着物の中から、
「この着物はいつも着やすい」という一枚を測ります。
その身丈と購入予定の着物を比べれば、自分にとっての許容範囲が見えてきます。
身長だけで判断するより、自分の着付け方に合った基準になります。
身丈の許容範囲の目安
あくまで目安ですが、リサイクル着物を選ぶときは次のように考えるとわかりやすいでしょう。
| 身長との差 | 判断の目安 |
| 身長とほぼ同じ | 着やすい |
| ±5cm程度 | 初心者さんでも充分候補にしやすい |
| 6〜7cm程度短い | 着付けに慣れていれば候補だが、強くお勧めはできない |
| 8〜10cm程度短い | 着付け上級者なら可能。初心者は諦めたほうがよさそう。 |
| それ以上短い | 対丈・和洋ミックスなど別の着方をするなら検討もあり |
ただし、これは絶対的な数値ではありません。
体型や腰紐位置、衣紋、おはしょりの好みで変わります。
「○cmだから着られる」と断定するのではなく、購入判断の目安として使ってください。
「少し短いから諦める」前に、おはしょりを考える
リサイクル着物は一点ものです。
好きな色。
好きな柄。
状態もよい。
裄も身幅も合っている。
でも、
「身丈が5cm短いからやめておこう」
と、すぐに諦めてしまうのは少しもったいない。
反対に、
「着物はサイズが自由だから何cm短くても大丈夫」
と考えるのもおすすめしません。
その間にあるのが、
着付けで無理なく調整できる範囲です。
その判断材料になるのが、
身長との差と、おはしょり。
自分が何cmのおはしょりならきれいに着られるのか。
腰紐をどこで締めているのか。
今持っている着物は何cmなのか。
この3つがわかるだけでも、リサイクル着物のサイズ選びはかなりしやすくなります。
まとめ|リサイクル着物の身丈は「身長との差+おはしょり」で判断する
リサイクル着物の身丈は、
身丈=身長
だけで判断する必要はありません。
初心者さんなら、まず身長±5cm程度を選ぶと着付けがしやすくなります。
身長より少し短い場合でも、
- 腰紐を締める位置
- おはしょりの長さ
- 衣紋の抜き方
- 自分の体型
- 着付け経験
によっては十分着ることができます。
一方、身長より8〜10cmほど短くなると、おはしょりを確保するための着付け技術が必要になります。
大切なのは、
「着られるか」だけではなく、「無理なく、きれいに着られるか」
ネットでリサイクル着物を購入するときは、まず身丈を確認し、その次に裄、身幅へ進みます。
サイズ表の数字を見て迷ったときは、
この身丈で、自分のおはしょりを作れるか?
という視点を加えてみてください。
選べるリサイクル着物の幅が、少し広がるはずです。

