浴衣の着姿が素敵に見えるか見えないかは「おはしょり」にかかっているといってもよいほど重要な部分です。
写真に撮るといつもおはしょりがぐちゃぐちゃになっていて、どうにかしたいと考えている方に役立つ内容となっています。
おはしょりがキレイにならない、もこもこする、長い短い、適正な長さは? など浴衣のおはしょりのお悩み全てココで解決できます。
最後まで通してお読みになるもよし、気になるところだけ確認するもよし、あなたの浴衣のおはしょりは明日からスッキリ。
自己流着付けでも人と差がつくキレイな浴衣の着姿になり、垢抜けたイイ女になれますよ^^
あわせて読みたい↓
浴衣のおはしょりが美しく見える長さとは?
おはしょりの処理の仕方の解説の前に、おはしょりの適正な長さを押さえておきましょう。
だいたい8cmくらい、人差し指の長さくらいが美しく見える長さと言われています。
下の画像は、最大値の8cmのおはしょりの幅です。
これより帯の下から出てしまうと、「長い」となってしまいます。
これ以上長いと子どもの浴衣のような感じで、子どもっぽい印象に見えてしまいます。
「なんか垢抜けない」感じに、、、。
せっかくお気に入りの浴衣を着ているのに、垢抜けない印象は絶対避けたいですよね!
おはしょりが長い、短いとお困りの方は自分サイズに誂えた浴衣ではなく、プレタ浴衣を着てらっしゃるのかな?と、推測しました。
スモールサイズ、トールサイズと展開しているブランドもありますがほぼ標準的なものでは、丈163~165cmくらいのものが多いと思います。
成人女性の平均身長158cmくらいに合わせ、また最近の20~30代世代に合わせて若干高めな身長に設定されているプレタ浴衣。
なので158cmよりも低い方はおはしょりが長くなりがち、背の高い方はおはしょりが出ないのがお困り。。。。なんですね。
長いものを短くするのは、比較的簡単にできますよ^^
逆に背の高い方、身長168~170cmくらいの方は 、丈163~165cmのプレタ浴衣ならおはしょり3~4cmくらいは出て欲しいところです。
通常のお着物よりは短めで、くるぶしくらいに裾線を決めるのでトールサイズさんでのプレタサイズでOKな場合もあります。
上のイラストは、裾のイメージです。
着丈は好みによりますが、かかとが丸見えでも浴衣の場合はOKなんですよ^^
172cm以上の背の高い方はプレタ浴衣でもトールサイズをお選びになるのも対策のひとつになります。
浴衣のおはしょり長い・短い人はどうするの?
おはしょりが「長い・短い」のお困りごとは、マイサイズの浴衣ではなくお下がりやプレタ浴衣を着用しているのでは?
今は浴衣は洋服ブランドなどでもプレタで出していますので、既製品の浴衣を購入される方も多いのではないでしょうか。
プレタ浴衣の多くはフリーサイズで洋服でいうとMからLの間くらいのサイズで作られています。
一般的に必要な身丈は、身長プラスマイナス5~8cmと言われています。
浴衣は通常のお着物よりの裾を短めに着付けますから、丈163~165cmだと身長158cmから小柄な方には少々長めな身丈になります。
身長にあった身丈のお着物を着るときのようにプレタ浴衣を着付けてしまうと、「おはしょりが長い」といったお悩みがでてきちゃいます。
浴衣のおはしょりが長い人は2通りの解決方法
おはしょりが長い = 8cm以上になってしまう場合は、
2通りのやり方で解消できます。
1.腰紐の締める位置をウエスト側にずらす。
2.腰紐はいつもの位置で、もう一本紐または伊達締めをプラスする。
1.腰紐の締める位置をウエスト側にずらす
▼
赤い線がいつも腰紐を締める位置だとします。
この線から布を折り返すので、おはしょりが長くなります。
腰紐の締める位置をウエスト側に変更して締めます。
2.腰紐はいつもの位置で、もう一本紐または伊達締めをプラスする
▼
腰紐は通常締める位置に締めています。(骨盤の出ている骨の上にいつも締めていると仮定します)
伊達締めを使用しても同じ役目をしますが、画像は「コーリン メッシュこしひも」を使いました。
「こしひも」という名前ですが、アタクシは着物を着る時の胸紐として使用しています。
伸び縮みのするメッシュベルトでプラスチックの留め具がついています。
メッシュ腰紐ベルトを胸紐として使用するのは、コチラの本で学びました。
きものYOKOMORI流スタイル―これでもOK! 着物の新常識
横森美奈子著
さらに上記の本が進化して横森さんが語りかけてくれるDVDがついている
【Amazon.co.jp限定】横森美奈子のおしゃれ着物コーデ帖――かしこく愉しむリユース着物活用術 Amazon限定DVD付き
着物と帯のコーディネートに毎度悩んでしまう方にオススメしたい着物本です。
メッシュの腰ベルトは「たかはし着物工房」さんで購入できます。
このベルトの上のベルト紐から布が下りておはしょり分になります。
おはしょりの長さの調節は上のベルト紐の位置で調節できます。
伸び縮みするので布製の腰紐よりはカンタンに位置調整ができます。
上記のように最初から紐やベルトの位置で調節をしないで、おはしょりの長さをちょうどよい長さに決めて余った部分を折り返して伊達締めで留めるというやり方もあります。
その方法だとおはしょりを整えたり引っ張ったりした際にどんどん出てきちゃうんです。
引っ張りすぎて出てきちゃった分は、帯をした後だと元に戻すことはなかなか困難です。
ですから、オススメいたしません。
浴衣のおはしょりが短い人の2つの解決方法
おはしょりが短く、出ないということは、浴衣の身丈が身長に対して短いということです。
おはりょりが短く帯から出てこない方は、腰紐の位置はどの辺で締められていますでしょうか?
ウエストあたりで締めている方は、まだおはしょりが出る可能性があります。
骨盤のでっぱりの上あたりで腰紐を締めてみてください。
それだけでかなりおはしょりが出るようになったと思います。
背が高くておはしょりが出ない方、ギリギリまで腰紐を低い位置に締めます。
●ギリギリまで腰紐を低い位置に締める。
●腰紐をなるべく細い紐にする。
この2つの方法で2cmくらいはおはしょり分になるはずです。
ギリギリまで低い位置で腰紐をする場合は、ゴムベルトじゃないほうが具合がいいです。
ゴムベルトだとウエスト側へずれる場合があるのです。
それと、ベルトの幅の分おはしょり分を奪われてしまいます。
浴衣のおはしょりがもこもこになる2つの理由
「長さではなくて、見た目が悪い」という場合の対策法もあります。
まずもこもこになってしまう理由を理解しましょう。
もこもこ状態のまま伊達締めまで進んでしまった画像
もこもこを解消するには、伊達締め前に都とのめる必要があります。
もこもこになるのは理由があった
おはしょりがもこもこになるのも理由があります。
●上前一枚のみにしていない
●布目を通していない。
垢抜けない印象の最大な原因は「もこもこ」
ここを制すると着姿がガラリと変わって見えてきます!
おはしょりスッキリのヒミツは一枚のみ
スッキリした前側のおはしょりの秘訣は、上前の布は1枚のみになっています。
下前のおはしょりになる部分は折りあげています。
下前を斜めに折り上げます。
内側に余分な分を折っています。
コーリンベルトをする方はクリップの位置に留めると衿も浮かなく、折った部分も下がってきません。
胸紐を締めると折り上げた部分は、下には落ちてきません。
折りあげるのに苦労する方は、胸紐を締めてから右側の開いているところから手を入れて、紐の下まで下前の布を寄せてあげます。
布目を通すとは?
腰紐の位置から布を下に下ろした分が、おはしょりとなります。
下ろす際に内側に手を入れておはしょりの下線を手でなぞってみてください。
布の目が整ってよじれたりせずにきれいにおはしょりの下線が折れているはずです。
浴衣のおはしょりが斜めになるのはなぜ?
おはしょりが斜めになるのは、褄を上げすぎている場合です。
褄を上げるときゅーっと裾つぼまりになり粋でかっこよく、個人の好みになるのでそれ自体の悪いことではないです。
おはしょりの下線が斜めにならない方法
左側が長くなってしまう場合を想定して解説します。
腰紐を締める前側の位置を水平ではなく、左側がウエストよりになるように斜めに締めます。
腰紐の位置が上にずれたのでその分おはしょりの下線も上側にずれてくれます。
身丈が十分にある場合で、このように斜めになってしまう方はゴムベルトの腰紐を使うと楽にずらすことができます。
浴衣のおはしょり背中側のだぶつき解消
浴衣の場合、半幅帯を締めることが多いですね。
半幅帯の締め方によっては、後ろのおはしょりもきちんと整えなくてはならないことも。
後姿もばっちりになるひと手間をご紹介します。
後姿に差がつく背中側のおはしょり
浴衣ではこんな半幅帯の結び方が多いのではないでしょうか?
文庫系
吉弥系
お着物でお太鼓ならいつも隠れるうしろのおはしょりですが、半幅帯の場合は見えてしまうことが多いですね。
さて、腰紐の締める場所の確認です。
前よりも後ろは高い位置に締めます。
水平にしてしまうと衣紋を抜いている分、背中の布が前よりも多くなりそのままおはしょりを下ろすと前よりも大分長くなってしまいます。
カリスマ着付け師の笹島寿美さんは着物の紐は帯締めを除いて、前下がり(後ろのほうが高い位置で締める)になると仰っていました。
笹島先生は骨格から考える着付けを人間工学的に研究されている方です。
紐の締める位置を骨格でとらえ、苦しくなく崩れない着付けで人気です。
後ろのおはしょりの下線を内側からなぞって布目を整えるのは、みなさんやっている工程ですね。
その後、前のおはしょりと衿の合わせを整えて胸紐を結びます。
背中心線が真ん中にきているか確認して、しわを左右に寄せます。
ウエストの細い方は特におはしょりがぴったりと身体に寄り添わず、だぶついている状態だと思います。
そのまま伊達締めをしてしまうと、おはしょりが浮き上がったようになってしまうのがお悩みだと思います。
このだぶつきは、脇の縫い目で内側に折り込んでしまいます。
後ろのたぶつきとしわを脇へ寄せます。
だぶついた分を折りこみます。
後ろおはしょりのたぶつきは諦めることも可能!
脇の縫い目で内側に折り込む方法が上手くいかない場合は、おはしょりの見えない結び方にするとうまくごまかせます。
半幅帯でもおはしょりが目立ちにくい帯結びもあります。
左の白地の帯は、「矢の字」に結んでたれ先でおはしょりを隠してます。
手先を半分に折らないともっと存在感でた結び方になります。
右のラベンダーの帯は「ぱたぱた結び」仮紐の中に何度も帯を通してリボン状に作っていきます。
こちらもたれ先でおはしょりを隠しています。
8寸の単仕立ての帯や紗の博多献上帯で「しっかり」隠す手もありますよ!
浴衣のおはしょりスッキリのまとめ
●適正なおはしょりの長さに整える。
●布目を通して身体に沿わせ、おはしょり下線はきれいな折れ線にする。
●余分なだぶつきは折り込み内側へ隠す。
●うしろのおはしょりは帯の結び方で隠す手もあり!
いかがだったでしょうか?
あなたの浴衣のおはしょりのお悩みは解決できましたか?
スッキリしたおはしょりはそれだけで、着姿をワンランク上げてくれます。
夏ならではの浴衣を楽しまれてください^^
キモノDNA LOVEでは、このような着つけの情報をメルマガにて配信しています。
メールでお届けなので、見逃す心配もありません。
人と差がつくワンランク上の着姿を目指している方は、是非ご登録ください。
↓ click!↓