リサイクル着物で裄や身丈が短い時は諦める?
リサイクル着物は、お着物を着始めた方やアンティークがお好きな方、気に入った柄を今すぐ着たいときなどに手軽に利用できて人気があります。
お誂えよりも低コストで現代にはない柄や雰囲気も魅力的ですね。
リサイクルに出回っているのは、一昔前のお着物が主ですから背が高く、腕の長い「モデルサイズ」さんには合うサイズを探し出すのが一苦労だったりします。
なかなかマイサイズのリサイクル着物が探せない裄長さん、トールサイズさんのために少しくらい短くてもOKな着方のコツとどのくらいまでが許容範囲かをお話ししていきます。
正しいマイサイズの寸法の測り方は、こちらの記事で確認できます。
アタクシのマイサイズは身長168.5cm。
裄は69~70cmです。
お着物ビギナーでリサイクル着物を選んでいたときは、マイサイズより裄が短い場合はあきらめていました。
でも、それだとリサイクル着物のほとんどはあきらめなくてはならない状況でした。
1、2cm短い物でさえも、選びはしませんでした。
洋服の時でさえも、レディースの既製服はパンツ丈やシャツの袖が短かったりしていたので、ジャストサイズというものに他の人よりこだわりが強かったのかもしれません。
身丈は決め方は「身長と同じくらい、またはプラスマイナス5~10cm」というのが一般的。
現代より平均身長が低いであろう一昔前に、あるわけがなく、、、、
お着物ブロガーさん方や、youtubeなどでいろいろ検索して研究したことが、あなたの参考になれば嬉しいです^^
裄の短いお着物を着付け方でカバーする4つの方法
裄は4cmくらいなら、なんとか着付け方でカバーできます。
ただし、「広衿」の場合と覚えておいてください。
1.衣紋をいつもより多めに抜く
2.半衿を刺繍や柄物にしてたっぷり見せる
3.広衿なら内側に折る分を少なくする
4.伊達衿風な重ね衿をする
1.衣紋をいつもより多めに抜く
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この着方は、身丈が充分に足りる時に、おすすめします。
多めに抜くと、前身頃が後ろに余分にまわることになります。
その結果、前身頃が短くなっておはしょりが充分に出なくなる場合もあるので、ご用心を。
衿を詰め気味に着た時よりも、裄が「かせげます」
2.半衿を刺繍や柄物にしてたっぷり見せる
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半衿の出る分量が多くなると、衿がその分外側にずらすことができます。
外にずれるということは、肩幅、袖幅が外へずれることになるので、裄が少し長く見えるという錯覚をつくります。
この画像は伊達衿も入ってますが、イメージはコンナ感じです。
普段着着物では1.5cmくらい、礼装だともう少し出す、とされている半衿の出し方のセオリー
ですが刺繍の場合は模様が解るくらいたっぷり出した方が効果的でもあります。
3.広衿なら内側に折る分を少なくする
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よく着付け教室で習うのは、「広衿の耳下位置から衣紋(首の後ろ)までは真半分に折る」というやり方ですが、広衿を利用した「裄のかせぎかた」は、
この方法だと、衿の幅が出た分、裄の分になります。
しかし、この着付け方には注意点があります。
きっちりと折られた状態で胸紐や伊達締めをしないと衿が崩れる原因になるのです。
お気に入りで着る回数が多い場合は、縫いとめておいてもいいですね!
4.伊達衿風な重ね衿をする
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「重ね衿」を下の画像で説明します。
↓ ↓ ↓
この画像の場合は、半衿の上に白いレースを挟んでいます。
ひとつ違うパーツを挟めることによって、半衿を多く出していても違和感無く見えます。
アタクシはこの白レースがどんなお着物にも合ってお気に入り。
半衿を多く出すことによって、今まで肩にのっかていた部分が腕側に移行するので裄の足りないのがカバーできるという計算です。
上記の方法を全て使い、アタクシはマイサイズより裄が4~5cm短くても、短さを感じさせずに着ることができるようになりました。
リサイクル着物は「お直し」するという手もありますが、お直しする場所によってはお仕立て以上に費用がかかったりすることもあるので、まずは上記にあげた4つの方法を試してみてはいかが?
身丈の短いお着物をカバーする2つの着方
身丈が短い場合は、2つの方法があります。
1.対丈(おはしょりが全くない)で着る
2.隠しおはしょりを作る
1.対丈(おはしょりが全くない)で着る
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対丈の場合は、着崩れやすくなってしまいます。
立ったり座ったりという運動量が、おはしょりがあることによってクッションになり着崩れを防止してくれるんです。
おはしょりがないと帯下がとても間延びして見えます。
特にトールサイズさんは帯から下が標準サイズさんと比べて長いので、余計に間延び感が出てしまいます。
間延びしないように見せるには、帯の位置を下目に締める&帯の幅を広く出す のがコツです。
着崩れはイヤなので、この対丈できる方法は、数センチもおはしょりのでない時のみがよさそうです。
そうなると、おはしょりを帯下に隠す方が、ベターですね。
2.隠しおはしょりを作る
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隠しおはしょりというのは、帯の下におはしょりがあるものです。
通常は帯の下に8cm程度のおはしょりがバランスのよい長さと言われていますが、腰紐をどんなに下にしても2cm以下のおはしょりしかできなかった場合は、無理に作らずにいつもの位置に腰紐をして「ちびおはしょり」をつくりその上に帯を締めてしまいます。
帯を締めるとおはしょりは隠れてしまいますが、着崩れを防ぐ柔軟性はあるので気持ち的に安心できます。
裄も身丈もNGな運命の一枚に出逢ってしまったら
身丈も裄も短い、でも気に入ってどうしてもあきらめきれないという運命のリサイクル着物に出会ってしまった場合は、、、
「正統派」として着るのではなく、ちょっとアレンジしてみる手もあります。
中にブラウス、セーターなどを着てお着物をコートワンピースのような感じで着たり。
冬だとタートルセーターとか。
ニットのアームウォーマーとか、レースのロング手袋とかもオシャレに見えます。
丈もふくらはぎ丈にしてピンヒールのブーツとか、UGGみたいなムートンブーツでも可愛くなりますね。
夏なら腕がにょっきり出ていてもあまり違和感なく着ることができそうです。
太目のバングルで腕の「余白」の存在感を消します。
ウェッジサンダルなんかだと、お草履のときより着丈が短くても違和感なさそうです。
洋服感覚で着たときは、帯は半幅帯で変わり結びや三重仮紐を利用したパタパタ結びなど、お太鼓ではない方が似合います。
自由にオリジナルな帯結びで楽しんで見てください。
お着物をワンピースのように楽しむスタイリング見本は、お着物雑誌「KIMONO姫」がオススメです。
この本を見たら、「自由でイイのね!」と実感できます。
あなたの「お着物感」を拡大してくれること間違いナシのスタイルブックです。
KIMONO姫14 メイドインジャパン編(SHODENSHA MOOK) (祥伝社ムック)
まとめ
裄が短い、身丈が短いリサイクル着物でも着れそうな気になりました?
◆裄が短いのは、広衿のお着物に限り着方でカバー可能。
◆身丈が短いのは、帯の下におはしょりを作って、着丈を死守しつつ着崩れもカバー。
◆どうやっても小さいけどお気に入りの一枚は、「ファッション」として楽しむ。
アタクシは裄の短いお着物は着付けでカバーできるようになって以来、気にならなくなりました。
「腕を伸ばしきらない」という技もありますよ^^
袖の中でひじを曲げていると腕がにょっきりと悪目立ちしません。
着付けの労力もちょうどいいサイズを探す時間も短縮したい方は
「多少の裄が短い、着丈が短い着方はわかった、でもマイサイズもしくは近いサイズのリサイクル着物を探したい」
「着方で苦労するのはイヤ!ロング丈のリサイクル着物を選びたい」
そんなあなたが見るべきお店はココです。
トールサイズのためのリサイクル着物セレクトショップ キモノDNA LOVE
身丈160cm以上のお着物をオーナーが吟味して選んでいます。
裄69cm、70cmというものも入荷します。
ただ、ロング丈で裄長なものはレアサイズになるので、頻繁な入荷チェックは必須です。
メルマガでWebショップに掲載前の新着案内を配信しているので、メルマガ登録をおすすめします。