リサイクル着物で裄や身丈が短い時は諦める?
リサイクル着物は、お着物を着始めた方やアンティークがお好きな方、気に入った柄を今すぐ着たいときなどに手軽に利用できて人気があります。
お誂えよりも低コストで現代にはない柄や雰囲気も魅力的ですね。
リサイクルに出回っているのは、一昔前のお着物が主ですから背が高く、腕の長い「モデルサイズ」さんには合うサイズを探し出すのが一苦労だったりします。
- なかなかマイサイズのリサイクル着物が探せない裄長さん
- トールサイズさんのために少しくらい短くてもOKな着方のコツ
- どのくらいまでが許容範囲か
を トールサイズの実体験とリサイクル着物店オーナー/着付け師の視点でお話ししていきます。
正しいマイサイズの寸法の測り方は、こちらの記事で確認できます。

身長168.5cmで裄は69~70cmが私のマイサイズです。
身丈は一般的には身長と同じくらい、身長プラスマイナス5㎝程度と言われています。
身丈163㎝くらいが一般論で言えば最小身丈となりそうです。
着物初心者でリサイクル着物を選んでいたときは、マイサイズより裄が短い場合はあきらめていました。
しかし、それだとリサイクル着物のほとんどはあきらめなくてはならない状況でした。
1、2cm短い物でさえも、選ばなかったのです。
洋服の時でさえも、レディースの既製服はパンツ丈やシャツの袖が短かったりしていたので、ジャストサイズというものに他の人よりこだわりが強かったのかもしれません。
リサイクル(リユース)市場には、身丈の長いもの裄の長いものは、多くはなく柄が気に入ってもサイズが合わずに涙を呑むといった経験が多々ありした。
いろいろリサーチして研究したことが、あなたの参考になれば嬉しいです。

実は、最初から裄が長め・着丈が長めに仕立てられた着物を選べば、この直しの手間自体が要りません。
裄の短いお着物を着付け方でカバーする4つの方法
裄は4cmくらいなら、なんとか着付け方でカバーできます。
ただし、「広衿」の場合と覚えておいてください。
1.衣紋をいつもより多めに抜く
2.半衿を刺繍や柄物にしてたっぷり見せる
3.広衿なら内側に折る分を少なくする
4.伊達衿風な重ね衿をする
各項目を解説します。
1.衣紋をいつもより多めに抜く
この着方は、身丈が充分に足りる時に、おすすめします。
多めに抜くと、前身頃が後ろに余分にまわることになります。
その結果、前身頃が短くなっておはしょりが充分に出なくなる場合もあるので、ご用心を。
衿を詰め気味に着た時よりも、裄が「かせげます」

2.半衿を刺繍や柄物にしてたっぷり見せる
半衿の出る分量が多くなると、衿がその分外側にずらすことができます。
外にずれるということは、肩幅、袖幅が外へずれることになるので、裄が少し長く見えるという錯覚をつくります。

黄色い点線の部分が一般的な半衿の部分です。
柄半衿や刺繍半衿にして、このくらい出すとその分裄側へゆとりが生まれます。
3.広衿なら内側に折る分を少なくする
よく着付け教室で習うのは、「広衿の耳下位置から衣紋(首の後ろ)までは真半分に折る」というやり方ですが、広衿を利用した「裄のかせぎかた」は、
この方法だと、衿の幅が出た分、裄の分になります。
しかし、この着付け方には注意点があります。
きっちりと折られた状態で胸紐や伊達締めをしないと衿が崩れる原因になるのです。
お気に入りで着る回数が多い場合は、縫いとめておいてもいいですね。
4.伊達衿のような「重ね衿」風にしてみる
「重ね衿」風を下の画像で説明します。

画像は伊達衿をするようなイメージで、衿を重ねています。
カジュアルにお洒落として楽しむときは、こんな衿もいいのではないでしょうか。
白い半衿は一般的なカジュアル着物の場合で出しています。
チェック柄の半衿を重ねて見せるために多めに出しています。
この方法も裄側にゆとりがでます。
ひとつ違うパーツを挟めることによって、半衿を多く出していても違和感無く見えます。
半衿を多く出すことによって、今まで肩にのっかていた部分が腕側に移行するので裄の足りないのがカバーできるという計算です。
上記の方法を全て使い、自分の場合はマイサイズより裄が4~5cm短くても、短さを感じさせずに着ることができるようになりました。
リサイクル着物は「お直し」するという手もありますが、お直しする場所によってはお仕立て以上に費用がかかったりすることもあるので、まずは上記にあげた4つの方法が参考になれば嬉しいです。
毎回、裄の短さを着付けで調整している方へ
着付けで4cm前後までカバーできる場合もありますが、最初から裄丈の合う着物なら着付けはもっとラクです。
キモノDNA LOVEでは、裄69cm・70cm前後など、裄長めのリサイクル着物をセレクトしています。
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身丈の短い着物をカバーする2つの着方
身丈が短い場合は、2つの方法があります。
1.対丈(おはしょりが全くない)で着る
2.隠しおはしょりを作る
対丈(おはしょりが全くない)で着る
対丈の場合は、着崩れやすくなってしまいます。
立ったり座ったりという運動量が、おはしょりがあることによってクッションになり着崩れを防止してくれるんです。
おはしょりがないと帯下がとても間延びして見えます。
特にトールサイズさんは帯から下が標準サイズさんと比べて長いので、余計に間延び感が出てしまいます。
間延びしないように見せるには、帯の位置を下目に締める&帯の幅を広く出す のがコツです。
着崩れはイヤなので、この対丈できる方法は、数センチもおはしょりのでない時のみがよさそうです。
隠しおはしょりを作る
隠しおはしょりというのは、帯の下におはしょりがあるものです。
通常は帯の下に8cm程度のおはしょりがバランスのよい長さと言われていますが、腰紐をどんなに下にしても2cm以下のおはしょりしかできなかった場合は、無理に作らずにいつもの位置に腰紐をして「ちびおはしょり」をつくりその上に帯を締めてしまいます。
帯を締めるとおはしょりは隠れてしまいますが、着崩れを防ぐ柔軟性はあるので気持ち的に安心できます。
着物の身幅が足りないとき、どこまでが許容範囲?
リサイクル着物を選ぶとき、「身幅が少しくらい足りなくても着られるの?」と迷うことがあります。
着物は身体に巻きつけて着るため、洋服よりも多少のサイズ差を着付けで調整できます。
ただし、「前幅が何cm足りないからOK・NG」と、数字だけで許容範囲を決めることはできません。
身幅を見るときは、まず「前幅」と「後ろ幅」を確認します。
着物の衽幅は仕立て上、おおよそ15cm程度ですので、
前側の幅=前幅+衽幅
後ろ側の幅=後ろ幅×2
と考えます。
そして、
前幅+衽幅+後ろ幅×2
が、自分のヒップサイズに近ければ、比較的きれいに着付けやすい寸法と考えることができます。
同じヒップサイズでも体型は人それぞれです。
ヒップよりも太ももが横に張っている方もいますので、数字だけではなく、身体の正面で一番幅のある部分を上前でカバーできるかを見ることが大切です。
身幅は、まず上前を身体の正面に当てて確認する
実際に着付けるときは、まず上前を身体の正面に当てて、前側にどのくらいの幅が必要なのかを見積もります。
上前とは、着付けたときに一番外側にくる左身頃のことです。
まず上前で身体の正面をきちんと覆える位置を決め、その位置をキープします。
そのあとで、下前を身体に沿わせて調整します。
つまり、身幅を見るときの主役は上前。下前は上前をきれいな位置に収めるための調整役です。
身体がスリムで着物の身幅が大きければ、下前を深く巻き込むことがあります。
反対に、着物の身幅が小さければ、下前の重なりは浅くなります。
左の脇線が真横にこなくても、すぐにNGではない
身幅が合っている着物なら、本来、左の脇線は身体のほぼ真横にきます。
着物の身幅が少し小さい場合は、上前で身体の正面をきちんと覆うことを優先するため、左の脇線が後ろへずれ、後ろ身頃が左脇側まで回ってくることがあります。
これは、必ずしも「着付けに失敗している」ということではありません。
限られた身幅の中で上前を必要な位置に合わせれば、そう着付けるしかない場合もあります。
そのため、脇線が真横にこない=すぐに着られない、ではありません。
明らかに身幅が足りないと判断できるのは?
着付けで調整するにも限界があります。
次のような状態なら、明らかに身幅が不足していると考えてよいでしょう。
・上前(前幅+衽幅)で身体の正面を十分に覆えていない
・下前が左脇まで届いていない
特に上前で身体の正面を覆えない場合は、着物そのものの前側の幅が足りません。
また、下前が左脇まで届かないほど身幅が不足していると、前身頃の重なりが少なくなり、歩いたり座ったりしたときに裾が開きやすく、着崩れにもつながります。
着物は多少のサイズ差なら、着付け方で調整することができます。
でも、「着物は巻いて着るから、太っても大丈夫」というわけではありません。
上前で身体の正面をきちんと覆えること。
そして、下前が左脇まで届いていること。
この2点は、身幅が自分に合っているかどうかを判断するときの、大切な目安になります。
裄も身丈もNGな運命の一枚に出逢ってしまったら
身丈も裄も短い、でも気に入ってどうしてもあきらめきれないという運命のリサイクル着物に出会ってしまった場合は、、、
「正統派」として着るのではなく、ちょっとアレンジしてみる手もあります。
中にブラウス、セーターなどを着てお着物をコートワンピースのような感じで着たり。
丈もふくらはぎ丈にしてピンヒールのブーツとか、UGGみたいなムートンブーツでも可愛くなりますね。
ウェッジサンダルなんかだと、お草履のときより着丈が短くても違和感なさそうです。
裄が短く腕が出るのが気になる場合は、ニットのアームウォーマーとか、レースのロング手袋とかもオシャレに見えます。
太目のバングルは腕の「余白」の存在感を消します。
夏なら腕が出ていてもあまり違和感なく着ることができそうです。
洋服感覚で着たときは、帯は半幅帯で変わり結びや三重仮紐を利用したパタパタ結びなど、お太鼓ではない方が似合います。
自由にオリジナルな帯結びで楽しんで見てください。![]()
まとめ|裄が短い・身丈が短い着物の着方の工夫
裄が短い、身丈が短いリサイクル着物でも着れそうな気になれました?
◆裄が短いのは、広衿のお着物に限り着方でカバー可能。
◆身丈が短いのは、帯の下におはしょりを作って、着丈を死守しつつ着崩れもカバー。
◆どうやっても小さいけどお気に入りの一枚は、「ファッション」として楽しむ。
私は裄の短いお着物は着付けでカバーできるようになって以来、気にならなくなりました。
「腕を伸ばしきらない」と、所作に気を付けることにもつながりました。
袖の中でひじを曲げていると腕の出る部分が悪目立ちしません。
着付けで調整するより、自分に合うサイズを選びたい方へ
裄や身丈が少し短くても、着付けの工夫で楽しめる着物はたくさんあります。
ただ、毎回着付けで調整するよりも、最初から自分に近いサイズを選べると、着るときの負担はぐっと減ります。
特にリサイクル着物は一点ものが多く、気に入った柄と自分に合うサイズがいつも揃うとは限りません。だからこそ、裄丈や身丈を確認しながら、自分に近いサイズを選ぶことが大切です。
キモノDNA LOVEでは、裄69cm・70cm前後など、裄長めのリサイクル着物もセレクトしています。
「リサイクル着物は好き。でも、サイズ探しに疲れた」
「次はできるだけ裄の合う着物を選びたい」
そんな方は、裄長カテゴリもぜひご覧ください。
一点もののため、サイズの合う着物は入荷したときが出会いどきです。

