春単衣としても夏物、浴衣として着ることができる?!
5月29日は、「呉服の日」語呂合わせで、、、。
今回は、お着物レビュー記事になります。
春夏単衣のお着物のモニター要員として、販売会社様より借り受け致しました。
実際に着る前のファーストインプレッションでお伝えします。
春単衣と夏物兼用の家で洗える素材<スペック>
とある着物屋さんの2017年春夏レディースプレタ着物。
webショップからの貸し出しです。
色味はラベンダー。
Lサイズ 適応身長 159~168cm
身丈 | 170 |
裄 | 68 |
肩幅 | 33.5 |
袖幅 | 34.5 |
袖丈 | 49 |
前幅 | 25 |
後ろ幅 | 31 |
バチ衿
胸紐つき
素材とお手入れ方法
表地: トリアセテート60%, ポリエステル40%
裏地(居敷当て): トリアセテート60%, ポリエステル40%
洗濯:可能。
30℃以下のぬるま湯を使い、中性洗剤で優しく手洗い。
干し方:日陰で吊り干し。
アイロン:低温(80~120度)で当て布使用。
スチームは不可。
素材説明
このお着物のキモといえるのが、トリアセテート使用ということでしょう。
トリアセテートの特徴
-
- しなやかなドレープ感がでる。
- 絹のような光沢。
- 発色のよさ。
- 化繊のイージーケアも併せ持つ。
- 保温性がある。
- ふっくら感がある。
半分天然、半分化繊といった感じの繊維ですが、注意事項が多かった。。。
トリアセテートの特性上、使用時は下記事項を十分にご注意ください。
- トリアセテートはアルカリに弱い性質があります。アルカリ性の洗剤などを使用せず、必ず中性洗剤をご使用ください。
- 自動車や石油ストーブの排気ガスなどにより、変色・退色する場合があります。本商品を着用したまま自動車のマフラーなどに近寄らないようご注意ください。
- マニキュアの除光液などのシンナーが含まれる溶剤により、溶けて穴が開く可能性があります。本商品を着用したまま、もしくは近くにある状態で当該薬品を使用しないようにご注意下さい。
引用:KIMONODE
繊維としては、新しくもないもので、今、夏も着ようとしている着物に保温性と弾力ある繊維の使用に「?」です。
ただでさえも夏着物は暑くて敬遠されるのに、今流行の涼感素材ではないトリアセテートをつかうの?
紺白の浴衣の上に着せました。
生地は薄く、下の浴衣の色柄が透けて見えます。
薄手なんですが、麻のような清涼感というか、さわやか感はないです。
オリジナルの柄のプリントの生地ですが、あまり柄の立たないほぼ無地感覚の生地に見えます。
ラベンダーという名前ですが、水色ぽくシャンブレーのよう。(だけど透ける)
盛夏用のお着物としては、いい具合の透け感と思いますが、これを春単衣としては難しいかな。
6月も後半ならしっくりくるのでは。。。。
気温や住んでる場所にも関係してくると思いますが、私の住んでいる北海道では夜はかなり涼しくなるのでこれでは寒いはず。
浴衣としても着れるコンセプトのお着物ですが、掛衿の内側まで縫い付けられているので、そのままでは衿芯が入りません。
浴衣として着る時は、掛衿の内側(身体に付く方)を少しほどいて中に衿芯を入れると、衣紋がびしっと決まるんです。
うーん、掛てるかな衿?もしかして見せかけの掛衿(つまんでる)かも。。。
縫い代、、、、。
残念ですね。ロックミシンでした。
マジかい?
下の画像は身八ツ口のところです。本来の和裁ならくけているところです。
脇の縫い代もロックミシンでした。
「身八ツ口と縫い代とロックミシン」なんか、小説のタイトルになりそうです。(笑)
反物幅の生地ではなく、洋服生地の幅で作られています。
背縫いとおくみ付けもつまみ縫い(布は裁断されていなく、折り重ねて縫っている)
ロックミシンを隠そうとくけ縫いしたいところですが、縫い代は余分にはありません。2cm弱といった感じです。
既製の洋服の縫い代幅と縫い代の端の始末と同じです。
着物の縫い方ではありませんでした。
居敷あては、繰越から脇線いっぱいまで付いています。
ここの会社のお着物には、最初から胸紐がついてあり、着慣れない人でも「着易く」というコンセプト。
胸紐の位置は、衿肩あきから57.5cm下がった衿にあります。二本ありますが、一本は途中ゴム素材の伸縮性のあるモノです。
この胸紐をつかい、着物の上半身を整えると、私では帯から出てしまいます。帯揚でかろうじて隠れるかという感じ。
粋な着方が好きで、帯を下目にする方はOUTだと思われます。
SサイズからLサイズまで紐つけ位置は同じです。
価格は。34,560円。
この縫い代では、厳しいわ。。。。
お洋服でも3万超えるワンピースは、割ってロックミシンの縫い代ではないはずです。
【まとめ】
モニター期間は2週間なんですが、今これを着て外を歩くのは難しいほどの透け感です。
<総評>
全体的に、残念。。。。